2016年6月16日 星期四

[新聞] 台湾の蔡英文政権、中国離れで「イノベーション」狙う

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO03360440Y6A600C1000000/?n_cid=MELMG008

 台湾で誕生した蔡英文総統の新政権が、中国寄りだった馬英九前政権の姿勢を修正する政策を相次いで打ち出している。中国離れを急ぐ背景には、IT(情報技術)を軸にイノベーション(技術革新)を起こして、台湾経済の付加価値を高めようとする蔡政権の戦略がある。
 5月20日に発足した蔡政権は、中国との貿易自由化に反対した2014年の「ヒマワリ学生運動」に加わった学生ら126人を対象にした馬前政権の告訴を取り下げると発表。さらに、馬前政権が日本の沖ノ鳥島について、排他的経済水域(EEZ)を設定できない「岩」だと主張したことも撤回する考えを明らかにした。いずれも中国と一定の距離を置く姿勢を印象付ける措置だ。

■「五大イノベーション研究開発計画」推進狙う
 馬前総統は、中国との間で「一つの中国」の原則を確認する国民党を基盤としていた。一方、蔡総統を支える民主進歩党(民進党)は「台湾共和国の建国」を党の綱領に盛り込むなど「独立志向」で、中国離れの政策とは整合する。だが、蔡政権の本当の狙いは経済政策の柱である「五大イノベーション研究開発計画」の推進にある。
 この計画は(1)グリーンエネルギーテクノロジー(2)スマート機械(3)アジアシリコンバレー計画(4)バイオ医薬(5)国防産業――の5つを重点領域に、台湾を世界のイノベーションのハブ(中核)に育てる試みだ。台湾の産業集積地の企業、大学、研究機関などが相互に交流し、米国、欧州、日本といった先進国からの支援を受ける構想である。
 ただ、安全保障にも関わる先端技術を対象に含むため、台湾が中国に近いままでは、米欧日の警戒を招きかねない。そこで技術移転で大きく期待できない中国よりも先進国側との接近を図る道を選んだ。
 馬前政権もIT振興を狙ったものの、中途半端に終わった。台湾のエネルギー自給率は3%程度にとどまり、再生可能エネルギー開発をはじめグリーンエネルギーテクノロジーの強化は喫緊の課題だ。
 スマート機械では、IoT(モノのインターネット)の技術開発を強く意識する。アジアシリコンバレー計画で大きな役割を果たすと期待するのは、米シリコンバレーで活躍する台湾系のエンジニアだ。
 台湾当局は従来、シャープ買収を決めた鴻海(ホンハイ)精密工業が代表するように、比較的高い品質の製品を割安に大量生産する企業を後押ししてきた。しかし、このままでは経済成長が頭打ちになると考えた蔡政権は、イノベーションを政策として打ち出した。
 みずほ総合研究所の伊藤信悟中国室長は、蔡政権はイノベーションによって「台湾経済を全体的に底上げし、韓国などライバルに差をつけたいと考えた」と解説する。
 足もとの台湾経済は低迷している。実質経済成長率は1~3月期まで前年同期比で3四半期連続のマイナスに落ち込んだ。台湾の企業は、相次いで生産拠点を製品の巨大な消費地である中国や、生産コストが割安なベトナムなどに移すようになった。台湾での設備投資は伸び悩み、日本と同様に「産業の空洞化」が懸念されるようになった。
 実質賃金が思うように伸びていないが、住宅価格の上げ幅は大きく、軍人や公務員に手厚い公的年金をめぐる不公平感が強まる。失業率は15~29歳が9%程度で全体の2倍を上回り(16年3月の台湾当局資料)、教育を受けた若者が希望する職に就けない状況が深刻さを増している。蔡氏は、総統選で大きな支持勢力となった若い有権者の変革への期待にこたえる政策を進めなければならない。その目玉が五大イノベーション研究開発計画だ。
■早期の成果難しく、若者の熱狂支持冷める懸念も
 蔡氏は1月の総統選で当選した後、イノベーション振興に欠かせない米国と日本を名指しして「関係改善を進めたい」と述べた。政治面で親米同盟の性格を持つ環太平洋経済連携協定(TPP)への参加希望を表明。日本との自由貿易協定(FTA)締結にも前向きだ。
 一方、中国による「92年コンセンサス」の受け入れ要求にはこたえていない。92年コンセンサスとは、中国共産党と台湾の国民党が1992年、「一つの中国」の原則を口頭で確認したとされる合意を指す。蔡氏は総統就任式の演説で「私は両岸(中台)が92年会談で、若干の共通認識に達したという歴史の事実を尊重する」と述べ、中国側に一定の配慮をみせた。だが、92年コンセンサスの存在を認めない民進党の従来の方針から踏み出す内容ではなかった。
 蔡政権は当面、対中政策で「ある程度の距離を保ちながらおおむね現状維持」を確保する狙いと想定されるが、中国側の警戒は強い。今後、蔡政権がイノベーションで米欧日と連携を強めようとすれば、中国は様々な手段で阻止を目指すとみられる。
 蔡政権の思惑通り、台湾のイノベーションは進むだろうか。注意すべきは構造改革が中長期の政策であることだ。仮に中国の介入がなくても、実現まで長い時間がかかるのが普通だ。しかし、蔡総統の誕生を支持した有権者は早期に、目に見える形で成果を求めている。
 蔡政権は台湾住民の現状の不満を解消する公約として、「五大社会安心計画」の実行も掲げた。主な内容は(1)(総統再選を前提に2期)8年間で20万戸の公営賃貸住宅を供給(2)食品の安全確保(3)託児・介護サービスの充実(4)公的年金制度の破綻回避と不公平感の解消(5)治安向上――の5点だ。
 ただ、速やかな経済の底上げ策は欠けている。有権者のなかでも若い層の将来に展望が開けなければ、総統選の熱気はすぐに冷めて、4年後の蔡氏の再選シナリオも修正を迫られかねない。日本総合研究所の松田健太郎研究員は当面の経済テコ入れ策として「財政出動のほか、企業の設備投資をめぐる減税措置などが候補になる」と指摘する。

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